今回は無土器時代のころの日本の歴史をかんたんに紹介します。

日本列島に初めて人が住み着き、文化をつくったのはこれまで縄文時代からだと考えられていました。
しかし、近頃ではこの縄文時代よりもさらに前に日本にも古い文化があったことが発見されました。


無土器文化

群馬県桐生市の西南方、両毛線によって岩宿という小さな駅があります。
この駅から西のほうに石灰岩の丘が切り立ってみえます。

1949年(昭和24年)の夏、一人の青年がその崩れた赤土の中から黒曜石でつくられた石器のかけらを発見しました。

この発見が糸口となって日本各地の赤土の中から同じような石器のかけらが次々と発見されました。
この赤土はローム層と呼ばれるもので何万年もの昔、火山の活動によって出来たものです。

縄文時代の土器や石器はどれもローム層より上の黒い土の中から発見されています。
ですから、このローム層の中から発見される石器は縄文時代よりも古い時代のものに違いありません。

おそらく火山が盛んに活動していた頃のもので少なくとも一万年以上も前のものと考えられます。

また、このような古い石器が発見されることは、その時代にすでに人間が住んでいて、これらの石器を使っていた証拠と言えます。

ところで、これらの石器はただ石を打ちかいてつくっただけの非常に簡単なものでした。
縄文時代の石器のように磨きをかけて鋭くしたものは一つも見つかりません。

また、土器も全く発見されていないところを見ると、この頃はまだ土器のつくりかたを知らなかったことと思われます。

土器のつくりかたをまだ知らなかった時代これは縄文時代と大きな違いです。

そこで、この時代は土器を持っていない文化の時代という意味で、無土器文化の時代と呼ばれています。
また、無土器文化の時代は簡単に無土器文化とも言われています。

無土器時代がヨーロッパで言われている旧石器時代にあたるか、あるいは中石器時代にあたるかはまだはっきりわかっていません。

この頃の人々(無土器時代の人々)は野に山に弓矢を持って駆け巡り、鳥や獣をとって暮らしていたと考えられています。

それは、発見された石器などから想像することができます。
けれども住まいの跡はまだ発見されていないので家の形や大きさ、場所などは全くわかりません。




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